賃貸住宅管理業法のはなし

不動産投資

賃貸経営においてオーナー様の重要なパートナーである管理会社。

管理内容が複雑になる中、オーナー様自身で賃貸住宅を管理するよりも、管理会社へ委託する割合が増えているそうです。

同時に増えているのが管理会社とオーナー様のトラブルです。

近年はサブリース契約に関わるトラブルが多発し、2018年3月には国土交通省よりオーナー様と入居者様へ向けた注意喚起がなされました。

さらに2020年6月には「賃貸住宅の管理業務の適正化に関する法律」(通称:賃貸住宅管理業法)が成立し、一部が2020年12月から施行されています:

賃貸住宅管理業法とは何か?

賃貸住宅管理業法は、

  1. サブリース業者と賃貸住宅所有者との間の賃貸借契約の適正化のための規制措置
  2. 賃貸住宅管理業を営む者に係る登録制度

の2つの柱からなる、管理業務の適正な運営借主と貸主の利益保護を目的とした法律です。

1.サブリース業者と賃貸住宅所有者との間の賃貸借契約の適正化のための規制措置

トラブルを未然に防止するため、すべてのサブリース業者の勧誘時や契約締結時に一定の規制を導入しました。この時、サブリース業者と組んで勧誘を行う者(勧誘者)も、勧誘の適正化のため規制の対象としています。

*ある建設会社が工事を受注するためにサブリース会社が作成した資料などを使って事業計画を説明し、その業者とマスターリース契約を結ぶよう勧めた場合、その建設会社は勧誘者となります

違反者に対しては、業務停止命令や罰金などの措置があります。

 *2020年12月15日施行

・不当な勧誘などの禁止

サブリース業者・勧誘者がオーナーを勧誘する際に、

1.契約の判断に関わる事柄について故意に事実を告げない 

  • 家賃の減額請求権はサブリース業者にある
  • 正当事由が無いと、更新拒絶ができない

2.事実でないことを告げる

  • 家賃はずっと変わらない

等の禁止

・誇大広告などの禁止

マスターリース契約の条件について広告するときに、

  • 著しく事実に相違する表示
  • 実際のものよりも著しく優良・有利であると人に誤認させるような表示 等の禁止
・特定賃貸借契約締結前の重要事項説明

マスターリース契約の締結前に、家賃、契約期間等を記載した書面を交付して説明する

サブリース業者とオーナー様のトラブルの多くは、業者側の説明不足等でオーナー様が契約内容を正確に理解できず、誤解したまま契約を締結していたことに原因があるようです。

新法では、

  • マスターリース契約の締結前にオーナーに対し書面を交付し、重要事項説明をすること(何を説明するべきかが、明確化されました)
  • 事前に重要事項説明書を取り寄せて内容を精査すること

ができるようになりました。

2.賃貸住宅管理業に係る登録制度の創設

賃貸住宅における良好な居住環境の確保を図るとともに、不良業者を排除し、業界の健全な発展・育成を図るため、賃貸住宅管理業者の登録制度を創設します。

*2021年6月中旬施行予定

・賃貸住宅管理業の登録

委託を受けて、賃貸住宅管理業務(賃貸住宅の維持保全、金銭の管理)を行う事業を営もうとするものについて、国土交通大臣の登録を受けることを義務付け

*管理戸数が200戸未満のものは任意

賃貸住宅管理業者の業務における義務付け

1.業務管理者の配置

事務所ごとに賃貸住宅管理の知識・経験等を有する者を配すること

2.管理受託契約締結前の重要事項の説明

具体的な管理業務の内容・実施方法等について書面を交付して説明すること

3.財産の分別管理

管理する家賃等について、自己の固有の財産等と分離して管理すること

4.定期報告

業務の実施状況などについて、管理受託契約の相手方に対して定期的に報告すること

登録の義務化に当たり、これまで法的に明確な規定のなかった「賃貸管理業者」について業務内容が初めて文章で明確に示されました。

*実はこれまでも任意の登録制度「賃貸住宅管理業者登録制度」がありましたが、全国の管理業者数約3万2000業者(見込)のうち登録数は3,735業者(2015年11月末 国土交通省の資料より)と普及しているとは言えない状態でした

弊社の場合

大幸ホーム㈱は準則の発足時より登録しています。

最初の登録年月日:平成24年1月25日

登録番号:(2)第687号

賃貸住宅の管理業務の範囲は多岐にわたり、複雑化しています。それに伴って、賃貸管理会社には高い専門性が求められています。

賃貸住宅管理業法の施行により悪質業者やトラブルが減り、賃貸管理業界がより高い信頼性を得、発展していくことが期待されています。

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