信託目録のはなし ~登記簿謄本のはなし③~

不動産/建築用語

土地や建物の不動産登記簿謄本(現在は登記事項証明書と呼ばれます)を見たとき、甲区、乙区に続いて目録がついている場合があります。

事例が多いのは、以前お話した共同担保目録ではないかと思いますが、信託目録となっている場合もあります。*謄本の交付申請時に、請求申請が必要です

同じ目録であっても、共同担保目録と信託目録では内容はずいぶん異なっています。

以前の“はなし”登記簿謄本①登記簿謄本②もよかったらご覧ください

法務省HP「登記~不動産登記」より登記事項証明書の見本

信託目録とは何か

「所有する不動産の管理を、誰か信頼できる人に任せたい」「自分の死後も不動産を管理し続けてもらいたい」等というとき、不動産を運用する手法の一つに信託という方法があります。

信託とは、自分の持っている不動産を第三者へ委託し、信託契約で定めた目的に従って運用・管理・処分などをしてもらう方法です。

委託する相手は信託銀行や信託会社といった免許・登録を受けている法人の他、個人に委託する場合もあります。又委託する相手を家族の誰かにする、所謂『家族信託』も最近では注目されています。*信託業法第3条では信託業の免許・登録を受けていない者は、営利目的で反復・継続して行う“信託業”は出来ないとされています。その為個人や免許・登録を受けていない法人に委託する際は、注意が必要です

『家族信託」は一般社団法人 家族信託普及委員会が商標登録している呼称です

信託目録の見方

信託契約で不動産を信託財産とする場合、その旨を登記する必要があります。*所有権移転登記が行われます

登記を行うと信託目録が作られます。信託目録には誰の所有の不動産(委託者)が誰へ(受託者)、どんな内容で任されたか(信託契約の内容)について書かれています。

所有権を移転したと言っても、その財産が受託者個人のものになることはなく、独立した財産として登録されます。*第三者に所有権を主張するための対抗要件であり、「これは信託された財産ですよ」と証明するためにも必ず登記は必要です

因みに…

不動産以外に信託の登記が必要なものとして船舶、建設機械、特許、著作権等があります

目録を取得するには

目録も含め登記事項証明書を取得する際は、最寄りの登記所(法務局、地方法務局、出張所、支局)で申請します。*目録だけの取得はできません

信託目録が必要な場合は、空いている部分に信託目録を付ける旨を書いて申請します。*信託目録の申請のための記入欄は特に設けられていません

【参考】法務局HP『各種証明書請求手続き』

他にも法務局の登記・供託オンライン申請システムから交付請求し、郵送又は窓口で受け取る方法があります。(それぞれ手数料が異なります)*オンライン申請システム利用には申請者情報の登録が必要になります

杉並区、中野区の法務局はこちら↓

下記のサイトもご覧ください↓

証明印や公印の押してある証明書の発行はしていませんが、登記所が保有する登記情報をパソコンの画面で確認できる有料システムもあります*利用には申し込み手続きが必要です

登記情報提供サービスHPhttps://www1.touki.or.jp/gateway.html

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