耐震化支援事業 ~耐震のはなし②~

不動産投資

世界有数の地震大国である日本。いつどこで大地震が発生するかは予測がつきません。

大地震に対する備えは災害用の備蓄や震災訓練といった起きた時の対策ももちろん大切ですが、住宅や街そのものを地震に強くして備えるといった、地震が起こる前の対策もとても大切です。

前回『耐震のはなし①』では東京都の耐震化への取り組みとして、『東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例』についてお話させて頂きました。

『耐震のはなし①』興味のある方は、こちらからご覧ください↓

条例は都内の高速道路や主要な幹線道路沿いの一定の条件を満たす建物について、耐震診断を義務付け、耐震改修を促すものですが、東京都は首都直下地震に備えて、幹線道路沿い以外の建物に対しても耐震化を進めています。

耐震化を進めることで、個々の建物の耐震性を高め、各地域それぞれ災害に強い街づくりを進めています。

耐震化支援事業

東京都の各区市町村では耐震診断、耐震改修などに要する費用の一部を助成する制度を設けているところが多くあります。杉並区中野区も支援制度や助成金制度があります。

耐震化とは

大規模な地震が起きたとしても、建物が倒壊・崩壊しないよう補強することを耐震化と言います。具体的には耐震診断を行い、建物に耐震性が不足していると分かった場合、その不足を補い、現在の耐震基準と同等の耐震性を確保します。

耐震基準

現行の耐震基準は1981年に抜本的に改正されたもので、この改正以前を旧耐震、以降を新耐震と呼んでいます。

旧耐震

震度5程度の地震→倒壊しない

*旧耐震では震度6以上の地震についての規定はありませんでした

新耐震(1981年~)
  • 震度5程度の地震→損傷しない
  • 震度6~7の地震→倒壊、崩壊しない
新耐震 強化ver. (2000年~)

木造住宅の耐震性を強化

  • 地盤に応じた基礎の設計
  • 接合部の金具取付
  • 耐力壁の量とバランスの規定

耐震化は以下のような流れで行われます。

耐震診断の費用

一般財団法人 日本耐震診断協会のHPでは耐震診断の費用の目安は以下のように書かれています↓

【一般診断】

  • 木造住宅(延床面積120㎡程度 在来軸組工法)…1棟で約40~約50万円
  • 鉄筋コンクリート造(延床面積1000~3000㎡)…1㎡あたり約1000~約2500円
  • 鉄骨造(延床面積1000~3000㎡) … 1㎡あたり約1000~約3000円

*但し、これはあくまでも目安。工法や地域、竣工時の図面や構造図の有無、また事務所の違いでも金額に差が出てきます

補強工事の例

どのような補強工事をするのかは、立地や建物の構造など、状況によって様々です。具体的にどういった補強が必要なのかは耐震診断調査で判断されることになりますが、例として下記のような工事が挙げられます。

香川県住宅耐震ポータルサイト『耐震化とは

杉並区・中野区の耐震化支援事業

杉並区では1981年(昭和56年)5月以前に建てられた木造住宅について耐震診断および耐震費用の一部を助成する制度、また同じく昭和56年5月以前に建てられた建物について耐震シェルター等設置費用の一部を助成する制度があります。

中野区の耐震化支援事業

中野区でも1981年(昭和56年)5月末以前に建てられた木造2階建て以下(地下があるものを除く)の建物に対し、耐震診断や耐震補強、その他の助成制度を設けています。

中野区HP『住宅の耐震化促進事業』https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/505000/d003098.html

その他の支援制度

杉並区、中野区では木造以外の建物の耐震診断の支援耐震改修の支援、また道路に面した危険なブロック塀等の安全対策に対する支援等も行っています。

中野区ブロック塀等の撤去等工事助成についてhttps://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/505000/d026916.html

地震に弱い建物はご自身やご家族の命や財産を守る上でリスクになるだけではなく、建物の倒壊等により道路を塞いでしまうことで救助や消火活動を妨げ、更には復旧や復興の妨げになるリスクも持っています。

建物の耐震化が進むことで、地震に強い街づくりが行われます。自治体の助成金だけでなく条件等によっては住宅ローンや税金などの特例や控除などが受けられる場合もあります。

ちょうど9月は防災月間。1981年5月以前に建てられた建物にお住まいの方、 賃貸住宅のリフォームをお考えの方は、 一度耐震について考えてみてはいかがでしょうか。

下記のサイトもご覧ください↓

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