耐震等級について(後編) ~耐震のはなし③~

不動産投資

耐震等級について、後編です。

前編では耐震等級はどんなものかについてお話ししました。
後編では耐震等級の評価基準や、メリット、デメリット等について考えてみたいと思います。

耐震等級について(前編)はこちら。よろしければご覧ください↓

耐震等級の認定を受けるには

耐震等級1は建築基準法で定められている耐震の基準と同等の為、認定を受ける必要はありません。耐震等級2、や3は住宅性能評価機関という専門の機関で行われる審査に合格することで認定を受けることが出来ます。

耐震等級の評価基準
  • 壁量…床に対して必要な壁量を満たしているか
  • 壁のバランス…バランスよく壁が配置されているか
  • 床倍率(等級2以上)…床の強度(床倍率)が必要な壁量に応じた強さか
  • 接合方法…柱や梁などの接合部について、構造上必要な耐力を算出し、その耐力を満たす接合金物を選んでいるか
  • 基礎…建物に係る様々な荷重や外力に対して、十分な耐力があるか
  • 横架材のチェック(等級2以上)…建物の自重や積雪荷重等に対して横架材(梁・桁等水平方向に架ける構造材のこと)の強度が十分か

メリット・デメリット

メリット

耐震等級の高い住宅を建てるということは、より地震に強い家に住むということです。
前編で説明したように、耐震等級1の住宅と比べて、2→3と等級が高くなるごとに、大きな地震が起きた後に補修等を行うことでその家に住み続けることが出来る可能性が高くなります。
その他、地震保険料の割引や、フラット35の金利が優遇されるというメリットがあります。 

地震保険料の割引

地震保険には、建物の免震・耐震に応じた保険料の割引制度があります。割引の対象項目は4つ。該当する項目によって割引率が変わります。
*複数の割引を重複して利用することはできません

  • 耐震等級割引保険の対象となる建物が、品確法に基づく耐震等級(新築)又は国土交通省の定める耐震診断による耐震等級の評価指針に定められた耐震等級(既存住宅)を有している場合に利用できる割引*耐震等級によって割引率が異なります割引率は右図参照→
  • 建築年割引保険の対象となる建物が、1981年6月1日以降に建築された建物である場合に、適用される割引(割引率⇒10%
  • 免震建築物割引保険の対象となる建物が、品確法に規定する評価方法基準(平成13年国土交通省告示第1347号)で定められた免震建築物である場合に適用される割引(割引率⇒50%)
  • 耐震診断割引保険の対象となる建物が、地方公共団体等の耐震診断又は耐震改修の結果、建築基準法における耐震等級を満たした場合に適用される保険(割引率⇒10%)
耐震等級割引 割引率一覧

【フラット35】Sの利用

【フラット35】の利用者が、省エネルギー性、耐震性等を備えた質の高い住宅を取得する場合、借入金利を一定期間引き下げるプラン。

住宅金融支援機構【フラット35】サイト 【フラット35】Sより  ↑クリックすると大きくなります
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デメリット

1.間取りが制限される可能性がある:
より耐震等級の高い建物を建てるには、耐力壁を多く、バランスよく配置することが必要です。耐震等級が上がるごとに必要な壁の量は増えます。
その為、『柱のない大きな空間』を作ることは難しくなり、大きな窓や、広い吹き抜けのリビングといった間取りが作りにくくなる可能性が高くなります。

従来であれば間取りの自由度が高い在来工法の木造住宅であっても、耐震性を高めるために出来る間取りが制限されるという点が、デメリットになるかもしれません。

2.一般的な住宅よりコストがかかる:

耐震性能を上げるために耐力壁を増やしたり、耐震金物の設置、構造計算等の理由で、建築コストが高くなります。その他、申請費用、検査費用などが必要になります。

構造計算について書いています。よろしければご覧ください↓

安心や安全は目に見えないもの。自宅の安心・安全の為に、保険に加入する、セキュリティを強化する、耐震性の高い建物を建てる等、それぞれとても大切です。但し、どこまで対策を講じれば万全なのか判断が難しいところでもあります。
また、耐震等級3の住宅を建てたから決して倒壊しないということでもありません。

それでも、耐震について知っておくことで、住宅の建築や購入に際して、安全性や住みやすさを考慮しつつ耐震等級を決めることができます。
様々な選択肢を考慮することが出来るのも、しっかりとした知識があればこそです。
エアコンや冷蔵庫等の設備と異なり、家の耐震性は簡単に変えることはできません。建築、購入の際には事前に情報を得たり、専門家にしっかり相談する等して、ご自身が納得のいく家づくり、家選びができるようにしたいですね。

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