ケーブルテレビのはなし

不動産/建築用語

普段何気なく見ているテレビ。いったいどういう仕組みで映っているのでしょうか?

テレビはテレビ局が送信した電気信号を受け取り、それをつなぐことで映ります。
電気信号を受け取る方法は大きく分けて3つ。アンテナで受け取る方法光回線を利用して視聴する方法、そしてケーブルを使って視聴する方法です。
この3つの方法のうち、今回はケーブルを使って視聴する方法、つまりケーブルテレビについてお話しします。

ケーブルテレビとは何か

日本ケーブルテレビ連盟HP『ケーブルテレビとは

ケーブルテレビ』とは何でしょうか?
ケーブルテレビは、一括して受信した地上波放送や衛星放送を、ケーブルテレビ網(光ファイバーや同軸ケーブル)を使って、各家庭へ届けるシステムです。
このシステムはケーブルテレビ局によって運営されており、こうした大容量のネットワークを活用して、テレビの放送の他にインターネット等の通信サービスも行っています。

同軸ケーブル

高周波用ケーブルの一種。特にテレビの信号を流すのに使われるケーブルです。
1本の信号線を中心に周囲を絶縁層、シールド層、被覆層の順で取り囲んだ構造をしています。断面が、中心を同じくした円の重なりに見える為”同軸”ケーブルと
呼ばれています。

特長

1.電波障害を受けにくい…ケーブルテレビの最大の特長は、電波障害を受けにくいことです。
何故かというと、ケーブルテレビ会社が良好な電波で受信した映像をケーブルを利用して各家庭へ届けているからです。その為、電波の受信状態で映像の質に差が出るBS・CS放送でも安定して良好な映像で見ることが出来ます。

また、BS・CS放送を見る場合、通常はアンテナがそれぞれ必要ですが、ケーブルテレビで視聴する際はアンテナは不要です。
*1つのアンテナで両方に対応できるものもあります
*ケーブルテレビでBS、CS放送を見るには、アンテナは不要ですが、ケーブルテレビ会社へ申し込んで電波受信のチューナーを借りる必要があります

2.独自チャンネルがある…サービスエリア内に特化した地域の出来事やイベント情報等の番組を自社で制作し、放送しているケーブルテレビ会社もあります。

3.専門チャンネルがある…映画・スポーツ・音楽等、ジャンルごとの専門チャンネルがある場合もあり、加入することでたくさんのチャンネルを楽しむことが出来ます。

デメリット

デメリットには以下のものが挙げられます。
1.アンテナや光回線でのテレビ視聴と比べて費用が高くなることがある
2.テレビ用の同軸ケーブルにインターネットの信号を流すので、インターネットの通信速度が遅くなる可能性がある

ケーブルテレビの歴史

ケーブルテレビはテレビの放送開始(1953年)の2年後1955年に群馬県の伊香保温泉地区に開設された有線放送の共同受信施設を始まりとします。

もともとケーブルテレビは山間部等電波の届きにくい地域の難視聴を救済するための共聴設備としての役目を担っていました。
加えて、1963年に建築基準法の改正に伴い高層ビルが建てられるようになると、この高いビルが原因で都市部でも難視聴が発生するようになりました。

その為、従来は視聴できない地域のためのものだったケーブルテレビを都市部にも広げ、テレビの他に様々なサービスを付加することで加入者を増やし、現在では約3,055万世帯が加入、世帯普及率は約52.2%になっています。つまり全国の総世帯数の半数以上がケーブルテレビを経由してテレビを見ていることになりますね。

総務省HPケーブルテレビ政策ポータルサイト『ケーブルテレビの現状』より

主なケーブルテレビ会社

ケーブルテレビ局は地域ごとに様々な会社があります。その中でも広域にわたる大きなケーブルテレビ局として、以下の会社があります。

JCOM株式会社…全国16都道府県でサービスを展開する大手ケーブルテレビ会社
株式会社ニューメディア…山形県のケーブルテレビ会社。山形・福島・北海道等でサービスを展開
ケーブルテレビ株式会社…栃木県を中心に群馬・茨城・埼玉の4県にまたがって展開するケーブルテレビ会社

因みに…

総務省のHPを見ると東京都にあるケーブルテレビ会社は、右の一覧に掲載された12社。
令和2年10月1日現在 自主放送を行っている事業者)
J:COM系列の会社が多くなりますが、それ以外の会社もあります。

総務省HP『ケーブルテレビ事業者一覧』より 画像をクリックすると大きくなります

サービスの種類

ケーブルテレビ会社では、どのようなサービスが受けられるでしょうか。
サービスの種類は2種類。放送サービス通信サービスの2分野に分かれます。

放送サービス

地上デジタルの再放送
地域のニュース等を放送するコミュニティ放送
BSデジタルの再放送
専門チャンネル

通信サービス

インターネット接続サービス
電話サービス等

その他に、地域によっては医療や福祉、子どもやお年寄りの見守り等、地域が抱える課題に対するサービスを行っているケーブル会社もあります。
*ケーブルテレビの会社は地域で利用できる会社が決まってきます
加入する際に、必ずしも自分の好きな会社を選べるとは限らない為、注意が必要です

地域と業者が(ある程度)決まっているのはなぜ?

ケーブルテレビは国の許認可事業なので、事業を始めるには国に申請を出して認可を受けなければなりません。ケーブルテレビ事業の管轄が旧郵政省だった頃*現在は総務省の管轄、国の方針で一地域一社という規制がありました。
現在この規制は無くなり、一つの地域内で複数の事業者が事業を行っても構わなくなっています。
東京都内でも一つの地域に複数の事業者が入っている地域もありますが、実態としては、一地域一事業者の地域が多くなります。

杉並区・中野区のケーブルテレビの状況

杉並区・中野区で事業を行っているケーブルテレビ事業者は株式会社ジェイコム東京の一社。ケーブルテレビを利用する場合は、ジェイコム東京に依頼することになります。

株式会社 ジェイコム東京

主にケーブルテレビと電気通信事業(インターネット接続、IP電話)を業務とするケーブルテレビ会社。
J:COM株式会社の連結子会社です。

*J:COM株式会社とは→全国でケーブルテレビ・インターネット・固定電話等のサービスを行うケーブルテレビ会社です
東京都内の広い範囲と、埼玉県の一部のエリアでサービスを行っています。

J:COMの賃貸経営向けのサービスには、テレビ、インターネット・電話回線、防犯・防災、電力等があります。*詳しいサービス内容や料金などはJ:COMにお問い合わせください

J:COM導入物件

共同住宅の各戸のテレビ端子にまでケーブル引き込んでいる状態のもの。
ケーブルを引き込む際に、オーナー様に導入費用が掛かりますが、月々の利用料はかかりません。
入居者がJ:COMのサービスを利用したいときは、直接J:COMと契約します。契約しなくても地上波と無料のJ:COMチャンネルを見ることが出来ます。

In My Room物件

オーナー様が費用を負担することで、ケーブルテレビやインターネットを入居者が無料または通常利用するよりも安い料金で利用できるようにした物件の事。
建物の規模や利用するサービス内容によって料金は変わります。*詳しくはJ:COMにお問い合わせください
In My Roomを導入することで導入の工事費が無料になったり、テレビ受信やインターネットに関する維持管理をJ:COMに委託することが出来ます

最後に

ケーブルテレビは、利用者が加入することで様々なチャンネルが楽しめるようになること、天候等の影響を受けにくい安定した視聴が出来ることが大きなメリットです。
但し、インターネットが遅くなる可能性がある為、状況や、申し込んでいるサービス内容によっては、テレビよりもインターネット環境が重視される最近のニーズには合わない可能性も出てきます。

テレビの視聴方法は、ケーブルだけでなく、従来のアンテナや光回線を使ったものもありますし、ケーブルテレビでも、テレビとインターネットを組み合わせたプラン等様々なプランがあります。
テレビ視聴だけでなく、インターネット等も含めた総合的なコストや利便性等多方面から検討し、最適な方法を選びたいですね。 

光回線テレビ、テレビアンテナについても書いています↓

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