不動産仲介業者の社会的役割について|不動産コンサルティング
不動産仲介業者として
- 不動産という商品の性質上、2つとして同じものは無く、また、一般消費者が日常頻繁に取引をするものでもないため、そもそもお客様が何に注意しながら取引すればよいのか、全てを把握している一般消費者は、ほぼいないでしょう。
そのようなことからも「宅地建物取引業者制度」がなかった時代は、取引上の事故が多く、また被害額も相当な額に上ったと伝え聞いております。
そこでまず、一番大事な「取引の安全を保証する」業者が必要になり「宅地建物取引業法」が制定されたそうです。
- 「取引の安全を保証する」なんて、他の商品や他の業界と比べたら「そんな基本的なことを大事にするなんて、程度が低いのではないか?」とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、よく考えてみてください。
- ■ 不動産以外の商品は動かせる
- つまり、何気なく行っている「商品と引き換えにお金を払う」という同時履行をどうやって安全に、公平に実現するのか?また、所有権が移転する事をどうやって安全に、公平に実現するのか?
- ■ 土地以外の商品は量産化できる
- 量産化できる商品は、量産度合いによって仕様詳細を大量に公開できます。唯一無二である土地の仕様詳細をどうわかり易く説明するのか?また、売主・買主・貸主・借主のそれぞれの事情にカスタマイズされた取引の方法や様々な条件をどう調整し、安全に公平な取引を実現していくのか?
- ■ 土地以外の商品は消費できる
- 土地は、建物が朽ちても、ほぼ永遠に再利用ができます。そのような土地の価値評価はどう行っていくのか?
- また、中古建物は、どのように評価すべきか?現況建物と同じような建物が将来建てられるのか?環境は、将来どのように変わっていくのか?
確実に分かっていることを説明し、難解な各種用語をプロとして、解釈も含め説明し、将来にわたる可能性も分かっている範囲で説明し、納得いただき、取引をすすめていく必要があります。
- 銀行口座の約款や保険の約款を隅から隅まで読んだことがある方はあまりいないかもしれませんが、不動産取引における「重要事項の説明書」「契約書」等の読み合わせは、すべての当事者が経験しているはずです。
さらに、我々の説明や取引の段取り等に不備がある場合、損害賠償請求の対象となり、売買価格の何十パーセントもの賠償額を支払わなければならない判例もあります。
- 我々、仲介業者は取引の証明者としての役割も担っています。融資の審査や各種税制優遇審査において、仲介業者の印鑑を押した契約書や重要事項の説明書が必要になったりします。
往々にして、各お客様の好みに合った物件や条件を用意できる業者が良い業者とみなされる傾向がありますが、本来の「安全な取引」をより確実に実現できるかどうかということも、重要な業者評価の尺度であると思います。
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