『窓』のリフォームのはなし

不動産/建築関連用語
不動産/建築関連用語

近年、夏になると35℃を超す猛烈な暑さに襲われる日が増え、熱中症対策として水分補給やエアコンの使用が促されています。特に今年は電力不足や電気代の高騰もあり、節電と熱中症防止に頭を悩ませた方も多かったのではないでしょうか。

節電しつつ、効果的に室内を冷やすために、
扇風機やサーキュレーターの活用
換気
・冷房の使用方法を見直す

等が挙げられます。このほかに有効な対策として挙げられるのが窓のリフォームです。

窓のリフォームにはどんな効果があるか

窓をリフォームすることで考えられる効果を挙げてみましょう。

1.エアコンの効果がよくなる

住宅の中で、最も熱が出入りするのは窓だと言われています。

一説によると、

  • 真夏時⇒家全体の熱の71%が窓から入りこむ
  • 真冬時⇒48%が窓から放出される

とされています。

窓を断熱・遮熱化することで冷暖房の効果を高めることができ、節電につながります。リフォームの内容や、エアコンの省エネ機能等を合わせて、状況によっては25%近く削減することも可能です。
*断熱対策によって、窓が外気の影響を受けにくくなり、結露の抑制効果も期待できます

騒音の軽減

日常には様々な音があふれています。
音の大きさは(デシベル)という単位で表します。

一般的には45㏈以下の環境で『静か』と感じるとされています。(図書館や美術館が大体このくらい)60㏈以上の大きさの音になると、うるさいと感じる人が多いようです。

環境省『生活騒音パンフレット

例えば上の図で言うと『蝉の声』は80㏈です。一般住宅の窓ガラス(厚さ5mm程度)は、20㏈の防音効果になるので、蝉の声(80㏈)-窓ガラスの防音効果(20㏈)=60㏈となり、うるさいと感じてしまう可能性が高くなります。
防音効果の高い窓ガラスや二重窓等の内容は様々ありますが、リフォーム内容によっては高い防音効果が期待できます。

3.防犯性を高める

警視庁の調査によると、住宅への侵入口として一番多いのはから。その割合は全体の6割以上になります。

侵入手口として最も多いのは無戸締り(鍵のかけ忘れ)、2番目は窓のガラス破りで全体の2割強になります。
泥棒対策として、戸締りを徹底するのはもちろん、侵入しづらい窓にすることが大きな防犯対策となります。

警視庁『令和3年度版 東京の犯罪』より

例をあげると、
内窓をつけて二重窓にしたり、シャッターや雨戸、格子をつける⇒侵入をためらわせる効果
防犯建築部品や、ヒビが入っても破れにくいガラス等を設置する⇒破壊に手間がかかり、途中で侵入をあきらめさせる効果
等が考えられます。

防犯建築部品(CP部品)

国土交通省、警察庁等関連省庁と民間団体で構成される官民合同会議において、一定の防犯性能があると判断されたガラスやサッシなどの部品の事。
*防犯建築部品は防犯建物部品目録に掲載され、CPマークの使用が認められています

どんなリフォームがある?

窓のリフォームには主に1.ガラス交換2.内窓設置3.サッシ交換の三種類に分けられます。

1.ガラスを交換する

1.複層ガラス

複層ガラスとは複数枚のガラス板の間に中間層を設けたタイプの窓ガラスで、『ペアガラス』と呼ばれることもあります。*ペアガラスはAGC社に商標登録された商品名です
ガラス一枚のものと比べて熱が伝わりにくいため、断熱効果が期待できます。
*この中間層へ空気より熱伝導率の低いアルゴンガスを入れたり、更に熱の移動を防ぐために真空にした複層ガラスもあります

2.合わせガラス
合わせガラスとは、2枚以上のガラスを強靭な中間膜(樹脂膜)で張り合わせたガラスのことを言います。
中間膜を厚くしたり、ポリカーボネット板等の特殊なものにすることで、防犯防音等の性能を高めることもできます。

内窓を設置する

既存の窓はそのまま、新たに窓を取り付けます。*二重サッシ、二重窓と呼ばれることもあります
窓が二つになることにより外と室内がしっかりと隔てられ、防音効果断熱効果が期待できます。
断熱効果により、結露の発生も抑制できます。

サッシの交換

断熱性を高めたり結露の防止等に効果が高いとされるのがサッシの交換です
サッシが老朽化していたら取り換えることで機能回復を図ることが出来ますし、より高性能のサッシと交換することで、省エネ防犯等の機能を高めることが出来ます。

一般的に使われている窓のサッシはアルミです。特に指定していなければ、大多数の住宅の窓にはこのアルミサッシが設置されているのではないでしょうか。
アルミの他に樹脂サッシ、樹脂とアルミの複合サッシ等があります。

樹脂サッシ(塩化ビニールサッシ)

省エネと暖かさで快適な暮らしが送れることを目的に開発された素材。
高い断熱性があり、北海道や東北の住宅での利用が増えています。

断熱性が高いので、外気との温度差が出にくく、結露を防ぐ効果もあります。
腐食しづらく加工も容易ですが、アルミサッシに比べて強度が低いため、その分厚みで強度を出します。その為、フレームが太くなり、重くなることが多くなります。
*強度の他、アルミサッシに比べると耐久性に劣るというデメリットもあります

複合サッシ

複合サッシは、アルミと樹脂を組み合わせたサッシです。

室内側に断熱性や遮音性の高い樹脂を用い、外側にアルミを使うことで、耐久性や対候性、防火、防サビ性を持たせるという目的で作られたサッシです。

近年アルミサッシに代わって用いられることが多くなっていますが、樹脂側の経年劣化がアルミ面よりやや早いこと、断熱効果が樹脂単体のサッシと比べると低い点等が指摘されています。

補助金等の支援について

窓のリフォームに対して、国や自治体が様々なタイプの支援対策を行っています。主なものをご紹介します。

国の補助金制度

1.既存住宅における断熱リフォーム支援事業
全国の既存住宅(一戸建ての他、集合住宅、賃貸住宅でも可)において、高性能な断熱材や窓などを使って、一定の省エネ効果が見込める断熱リフォームを行った場合に、その費用の一部を助成する制度。

2.こどもみらい住宅業者支援事業
子育て世帯又は、若い世帯が省エネ性能の高い新築住宅の取得をする場合と、住宅の省エネ改修を行う全世帯に対する支援制度。
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    

こどもみらい住宅支援事業HP『事業紹介リーフレット

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                      

地方自治体の補助金制度

1.既存住宅における省エネ改修促進事業

東京都内の既存住宅に高断熱窓、高断熱ドアを設置する、太陽光発電システムの設置に対する支援制度。
*戸建てでもマンションでも可。賃貸住宅も申請できます
但し住宅専用の制度なので、店舗や事務所併用の建物の場合は、住居部分のみ申請できます
店舗・事務所と住居を兼用している部屋は対象外です

東京都住宅政策本部
既存住宅における省エネ改修促進事業』より

2.災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及大事業
高断熱窓・ドアへの改修、蓄電池、V2H、太陽光発電設備の設置に対する支援制度。

V2Hとは?

Vehicle to HOMEという言葉の略称。『車から家へ』という言葉通り、電気自動車を家庭用蓄電池として、車から家へ電気を供給する仕組みの事をいいます。
*対応している車と、していない車があるので注意が必要です


窓のリフォームは、節電はもちろん、騒音や結露の対策にも有効とされています。
リフォームをするにはお金も時間もかかります。なかなか気軽にできることではありませんが、長い目で見たときの節電対策の一つとして、その他の対策と併せて考えてみてもいいのではないでしょうか。

下記のサイトもご覧ください↓

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