相続の事前対策

相続対策を3つに分類すると【分割対策】【節税対策】【納税対策】があります。
節税対策や納税対策が必要な人は、主にお金持ちの方や資産家です。
しかし【分割対策】に関しては

相続人である子供が2人以上いる人
子供はいないが配偶者と兄弟が相続人となりうる人
不動産を一つ以上持っている人

などの方々にとっては必要になります。

分割対策が必要な理由とは

  • 不動産は分割しにくく、相続人数に対して不動産数が少ないと揉めやすい。
  • 不動産を兄弟共有にすると、ほとんどの場合、いずれ売却せざるを得なくなる。
  • 遺産分割協議は、相続人全員の総意で決議される。
    (相続人1人でも反対者がいれば決議されない)
  • 遺産分割協議に兄弟の配偶者や各家族の意見が反映されすぎると、
    調整しきれず、まとまらず、揉める。
  • 高齢化社会のため、老老相続も多くなってきており、
    出来るだけすばやい相続手続き(分割手続き)が要求される。

等々があります。

【分割対策】には、必須の手段である「遺言」の他に、様々な手法があります。
中にはそれなりのエネルギーが必要になる手法もありますので「頭がはっきりしている状態・呆けていない状態」「健康体の状態」であるうちに対策を完結させなければなりません。可能であれば「人生の節目の時に遺言・財産目録を書き直す」ことを推奨いたします。

「人生の節目」とは就職、転職、結婚、出産、子供の独立、定年、親の死亡、配偶者の死亡、等々です。特に「親の死亡」の際は、自らが一族の長老格となる可能性が高く、自ら相続する者としての苦労も味わうため、後代のためにも、親からの相続手続きがひと段落した後、自らの遺言を書き遺しておくのも一つの方法です。
ただし「遺言」といっても、相続のしくみを無視した「想い」が先行したものである場合、無効になってしまったり、かえって争いの元になる事もあるので、注意が必要です。

私共は【一族の長老格の方が「遺言」を書き遺すのは責務】とさえ思っております。