阿佐谷駅の北側にある『阿佐ヶ谷神明宮』。杉並区のパワースポットの一つであり、800年以上続く旧阿佐谷村の鎮守様です。
阿佐ヶ谷神明宮はどんな神社?
創建は1190年頃とされていますが、由来を見てみると、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東方の蝦夷(えみし)を討伐したその凱旋の折りに、この地で休息し、後年村人がその武功を慕って社を設けたことがもともとの始まりとされています。
その後、この土地の豪族の横井兵部が伊勢神宮に参拝したおり、神の霊示を受け、三重県宮川の霊石を持ち帰り神明宮に安置し、これをご神体としています。
その頃、神明宮は阿佐谷北5丁目辺りにありましたが、江戸時代中期に現在の場所へ移転しています。
*明治時代に『天祖神社』へと社号を変更しましたが、1990年(平成2年)に元の名前である『神明宮』へと戻しています
古くから庶民の信仰も厚く、村外からも多くの参拝者が訪れたようです。
*1828年に内藤新宿(今の新宿1丁目~3丁目あたり)からの参拝者が奉納した銅製の三本御幣が残っています
阿佐ヶ谷神明宮では『八難除』の御祈祷を受けることが出来ます。
八難除とは、厄年の災いだけでなく、その他たくさんある災難厄事を総てお祓いしてくれるというもの。全国でもここだけの御祈祷だそうですよ。
所 在:杉並区阿佐谷北1-25-5
名 称:神明宮
御祭神:天照大御神(あまてらすおおみかみ)、月読命(つくよみのみこと)、須佐之男命(すさのおのみこと)、豊受大神(とようけのおおかみ)
創 建:1190年頃
約三千坪に及ぶ広い境内にはたくさんの木々が植えられ、23区内とは思えない解放感あふれる雰囲気の神社です。
駅から近く交通の便がいいことから、年間を通して骨董市や植木市、能の奉納等といった催しが多く開かれています。また、1995年から毎年秋に開かれる阿佐谷ジャズストリートの会場の一つにもなっています。
*阿佐ヶ谷神明宮では、御朱印帳に書いてもらう御朱印の他に、美濃和紙に刺繍を施した大変綺麗な御朱印があります
また、『神むすび』という名のレースブレスレット型のかわいらしい御守もあり、どちらもとても人気だそうですよ
実は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)を御祭神とする神社は全国各地にたくさんあります。神明宮という名の他、神明神社や天祖神社等とも呼ばれます。杉並区内の神明宮はここだけですが、同じく天照大御神を御祭神とする天祖神社が南荻窪と成田東、東高円寺駅の近くにあります。
こちらは高円寺天祖神社にについて書いものです。よろしければご覧ください↓
江戸時代後期に刊行された地誌、『江戸名所図会』にも絵はないものの、『阿佐谷神明宮』として記載されています↓
境内
大鳥居
阿佐谷駅北口を出て、東側の商店街を北上すると見えてくるのがこの大鳥居。こちらが正面になります。
手水舎、北野神社、能楽堂
・手水舎
・北野神社
・能楽堂
猿田彦神社
本殿へ続く瑞祥門のちょこっと手前にあるのが猿田彦神社。本社は伊勢にあります。
猿田彦神社が祀る猿田彦大神(さるたひこおおかみ)は、日本書紀や古事記に登場する、天から降りてきた神様達を道案内した土地神様です。
この神話から交通安全や旅行の安全を守ってくださる神様として信仰を集めているほか、進むための道を切り開いてくれる『道ひらき』の神様としても知られています。
*猿田彦珈琲の“猿田彦”は、この猿田彦大神(さるたひこおおかみ)にちなんだ名前だそうですよ
本殿
瑞祥門をくぐり、拝殿に向かうとその奥に本殿と摂社の3棟があります(御垣内三殿)。
迫力のある大きな拝殿の前に立ち、その拝殿を通して御垣内を見ると、自分の立っている場所とは別の世界を覗いているかのような、不思議な感覚に囚われます。
三棟のうち、中央にあるのが天照大御神(あまてらすおおみかみ)が祀られている本殿。そして右の摂社には月読命(つくよみのみこと)が、左の摂社には須佐之男命(すさのおのみこと)がそれぞれ祀られています。
*本殿の手前にある鳥居は、もともと伊勢神宮で使われていたもの。2013年の式年遷宮に際し、旧社殿の鳥居と灯篭一対が下賜されました
阿佐ヶ谷駅からすぐ近くにある“お伊勢様”。
広々とした境内と、神聖な雰囲気の神社です。参道の商店街も昔からのお店が多く、お参りに、街歩きにと様々に楽しめるのではないでしょうか。
お近くにお越しの際は、ぜひ寄ってみてください。
下記のサイトを参考にしています↓
- 阿佐ヶ谷神明宮HP:https://shinmeiguu.com/
- 国立国会図書館HP:https://www.ndl.go.jp/index.html
- 杉並学倶楽部HP:https://www.suginamigaku.org/
- 杉並区HP:https://www.city.suginami.tokyo.jp/
- 東京神社庁:http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/