街を歩いているとき、更地に下の写真のような設えがされているのをご覧になったことはありませんか。
これは地鎮祭の準備です。これからこの場所に家を建てる為、工事着手の儀式が行われます。
地鎮祭は個人の住宅だけでなく、大きな構造物の建築やトンネルやダム等の工事の前にも行われます。
この地鎮祭とはどういった儀式で、何のために行うものでしょうか。
地鎮祭とは何か
地鎮祭とは建築工事を始めるときに国土の守護神である大地主大伸(おおとこぬしのかみ)その地域を守る神様である産土神(うぶすなのかみ 氏神様とも言われます)等の神様に土地を利用することの許可を得、工事の安全と、家の繁栄を願う儀式のことを言います。
*じちんさい、とこしずめのまつり等と読みます(一般的には「じちんさい」と呼ばれます)。地祭り(じまつり)と呼ばれることもあります
地鎮祭の手順
一般的に、敷地の中に四隅に青竹を立てた祭場を作り、そこで行います。
参加者は、施主様の他、設計者、施工会社の担当者そして神事を行う神主さんです。
地鎮祭が終わるといよいよ基礎工事が始まります。
地鎮祭のはじまり
地鎮祭の歴史は古く、文献上最古の記録は日本書紀にあります。持統天皇5(691)年10月の記述に藤原京造営の際の『鎮める祭り』として紹介されています。
儀式ではお金や金、銀、ガラス玉、水晶等当時の貴重品、その他には麦や稲、大豆などの五穀が『鎮物(しずめもの)』として土地の中央または四隅に埋められました。こうした鎮物は他の古代都城の発掘調査でいくつも見つかっています。*時代によって鎮物の内容はいろいろと異なるようです
実際に地鎮祭が始まったのは、藤原京よりもっと前の時代のようです。
3~6世紀の古墳時代の古墳や建物跡からも祭祀の後があったり、鏡や杯などの鎮物が出土していることから、古墳時代の中期には地鎮祭が行われていたと考えられています。
最近では、事情があったり、考え方が変わってきたこと等から、「地鎮祭をやらない」という方もいらっしゃるそうです。
もちろん、必ずやらなければいけないものではありませんが、2000年近く前から繁栄や平安を願い行われてきた儀式。
工事の安全祈願でもあり、施主様、設計者、施工業者が一度に集まる貴重な機会でもあります。無理に行わなくても良いとは思いますが、出来るならば行っても良いのではないでしょうか。
↓下記のサイトもご覧ください。
- 神社本庁HP『地鎮祭について』:https://www.jinjahoncho.or.jp/omatsuri/katei/jichinsai
- 東京都神社庁『神社Q&A 出張祭典』:http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/qa/shuchosaiten/
- 大幸ホーム㈱HP:https://www.happy-sumai.co.jp/