「建物や不動産に関する法律って、よく新しい法律が施行されたり、改正になったりするなぁ~」と思ったことはないでしょうか。
日本は地理条件、気象条件などの理由からとても災害の多い国です。最近では豪雨による被害が顕著ですが、その他に台風や豪雪、火山の噴火、地震などの様々な災害があります。
特に地震については、日本は環太平洋地震地帯に位置する為、地殻変動が激しく、地震活動の活発な地域になっています。世界のマグニチュード6以上の地震の約2割は日本周辺で発生しているとのデータもあり、日本は世界有数の地震大国と言えます。


不動産に関わる新法の施行や法律の改正が、全て耐震に関係しているわけではありませんが、大きな地震が起きたとしても、国民の命や財産を守ることが出来るよう、震災が起きる度に損傷を受けた建物等を検証し、より耐震性を強化するために建築基準法を改正したり、新しい法律が作られたりしてきました。
そして近年では、東日本大震災や熊本地震など甚大な被害のあった震災が起きたり、南海トラフ地震、首都直下地震などの地震発生が近い将来に高い確率で予想されていることもあり、より耐震化の重要性が高まっています。

東京都で大地震が起こったら?


地震に備える為に
首都直下地震が起きた場合、建物被害の多くは1981年6月以前に建てられた建物であると予測されています。その為首都直下地震に備えて、1981年6月以前に建てられた建物の耐震化が急がれています。

東京都では2011年から『東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例』を施行し、災害直後から避難・救助をはじめ、物資供給等の活動のために緊急車両の通行を確保すべき重要な道路を緊急輸送道路に指定し、その沿道にある建物の耐震化を特に推進してきました。
緊急輸送道路のうち都内の高速道路と主要な幹線道路及び各区市町村庁舎への連絡に必要な道路について特に指定したもの。
*杉並区では首都高速四号線、環状七号線、環状八号線、青梅街道、新青梅街道、井の頭通り、甲州街道が該当します
**中野区では目白通り、新青梅街道、環状七号線、青梅街道、早稲田通りの一部、環状六号線の一部が該当します
下記1~3の全てに該当する建物を特定沿道建築物と言います。
- 敷地が特定緊急輸送道路に接する建築物
- 1981年6月1日施行の耐震基準改正前に建築されたもの
- 道路幅員のおおむね2分の1以上の高さの建築物
特定沿道建築物の所有者等には下記の義務が課せられます。
- 耐震化状況の報告
- 耐震診断の実施
- 耐震改修等の実施(努力義務)
耐震化とは
耐震診断調査を行って建物に耐震性が不足しているとわかった場合、その不足部分を補い、現在の耐震基準と同等の耐震性を確保する為に補強を行うことを言います。
現行の耐震基準は1981年に抜本的に改正されたもので、この改正以前を旧耐震、以降を新耐震と呼んでいます。
震度5程度の地震→倒壊しない
*旧耐震では震度6以上の地震についての規定はありませんでした
- 震度5程度の地震→損傷しない
- 震度6~7の地震→倒壊、崩壊しない
木造住宅の耐震性を強化
- 地盤に応じた基礎の設計
- 接合部の金具取付
- 耐力壁の量とバランスの規定
どのような補強工事が必要なのかは、立地や建物の構造など、状況によって様々です。具体的にどのような補強が必要なのかは耐震診断調査で判断されることになりますが、例として下記のような工事が挙げられます。

中野区では、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震改修等について助成制度を設けています。
*杉並区では、特定緊急輸送道路沿いに特化していませんが、建物の耐震化についての支援制度があります
中野区HP『特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震改修助成について』:https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/505000/d018268.html
災害は突然やってきます。首都圏直下地震が起きた場合、最悪の場合、死者はおよそ2万3,000人経済被害はおよそ95兆円にのぼるとの試算もあります。
一方、建物の耐震化を進め、火災対策などを徹底すれば死者を10分の1に減らせる可能性があると対策の効果も示されています。
少しでも被害を少なくするために、様々な対策が続けられています。

下記のサイトもご覧ください↓
- 内閣府防災情報のページ『地震・津波対策』:http://www.bousai.go.jp/jishin/index.html
- 東京都耐震ポータルサイト:https://www.taishin.metro.tokyo.jp
- 杉並区HP『耐震化支援事業』:https://www.city.suginami.tokyo.jp/guide/sumai/taishin/index.html
- 中野区HP『耐震化促進事業』:https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/505000/d003098.html