結婚式等お祝い事の挨拶で、 『本日はお日柄も良く…。』と言うのを聞いたことはありませんか。
不動産に関わる事でも『お日柄』が良く出てきます。例えば、地鎮祭や上棟式の日等の挨拶で同じように『本日はお日柄も良く…。』と言ったり、不動産売買の契約日等を決めるときに、『○○日はお日柄が良いので…』と提案されることもあります。
その日の天気とはどうも関係ないらしいこの『お日柄』。様々な行事で使われていますが、いったい何を指すのでしょうか。
『お日柄』とは何か
お日柄とは暦の上でのその日の吉凶の事をいいます。その日が縁起の良い日か悪い日か、ということですね。
主に暦の暦注にある六曜を指しています。
暦とは?
その日は何曜で、どういう行事が有るか、また吉凶・月齢や日の出・日没・干満の時刻などを一年を単位として日ごとにしるしたもの。
新明解国語辞典 第七版
*カレンダーも暦の一種です
暦注とは?
暦に日付の他に書かれる注記事項。その日の吉凶や運勢、行事などの様々な事柄が書かれます。
*六曜は下から3番目に書かれています。2021年の1月1日は仏滅ですね
六曜とは
六曜は暦に記載されている吉凶を占う暦注の一つ。『六輝』とも呼ばれます。不動産の売買契約や上棟等の日にち、その他にも結婚式など様々な行事に関わっています。*『新しい靴をおろすときは、大安』と決めている方もいます
中国で誕生し、もともとは時刻の吉凶占いに用いられていました。14世紀、鎌倉時代から室町時代にかけて日本に伝わってからは、日の吉凶を判断する方法として使われるようになりました。
*東京神社庁等のHP等を見ると、俗信(民間の言い習わし)であるため、実際の吉凶とはあまり関係がないようです
縁起のいい六曜
六曜の中で一番縁起の良い日は大安。万事に大吉とされ、不動産では売買契約や地鎮祭、上棟式、工事の開始等に選ばれます。結婚式などにもよく使われますね。
続いて縁起が良いのは先勝と友引。この2つの日は、大安と異なり縁起の悪い時間帯もあります。*大安は一日中『吉』です 契約等が午前中になる場合に、「○○日は先勝だから、この日にしましょうか」という会話もよく行われるそうです。
暦からわかる六曜以外の縁起のいい日
天赦日 …日本の暦では最大の吉日。年に4~6回しかない貴重な日。何をするにも非常に縁起が良く、特に新しいことを始めるのに良い日とされています。
一粒万倍日 …『一粒の籾(もみ)が何万倍も実る稲穂になる』との意味から、新しい事をスタートさせるのに良いとされています。
反対に、避けた方が良いとされている日もあります。
- 不成就日(ふじょうじゅび)…何をやってもうまくいかないとされている日
- 三隣亡(さんりんぼう)…由来もいつ頃から始まったのかも不明ですが、少し前までは建築関係の大凶日とされていた日。今でも上棟など建築関係の行事は避けられることが多い
実際に契約や建築の行事を行う際は、相手や業者、日程などの兼ね合いもあり、縁起の良い日にちよりも、調整しやすい日程を選ぶ方が多いようです。
まったくの迷信と考える方もいれば、気にする方もいる『お日柄』。気にし過ぎると大変ですが、不動産の売買、建築など人によっては一生に一度の事。取引前には一度調べてみるのも良いかもしれませんね。
下記のサイトもご覧ください↓
- 国立国会図書館 『日本の暦』:https://www.ndl.go.jp/koyomi/index.html
- 東京神社庁HP『新社Q&A』:http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/qa/