耐震等級について(前編) ~耐震のはなし③~

不動産/建築関連用語
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家を建てる際に、必ずと言って良いくらい話にあがるのが耐震についてではないでしょうか。
もともと日本は、地震の多い国です。加えて、近年大きな地震が続いたり、今後も大地震が起こる懸念が高まっていることもあり、家選びや、家づくりにおいて耐震の重要性はより高くなっています。しかし、建築の専門知識が無ければ、図面等を見てどれくらいの耐震性があるのか判断することは難しいのではないでしょうか。

専門知識が無くても、建物の耐震性能を見る目安として表示されているのが耐震等級です。

この『耐震等級』とはどのようなものでしょうか。

耐震のはなし①と②です。よろしければ、ご覧ください↓

そもそも地震に強い家とはどんな家か?

地震に強い家とはどんな家を指すのでしょうか?
耐震性に影響するポイントとして、以下の項目が挙げられます。

耐力壁の多さ

耐力壁が多い程耐震性は高まります。

耐力壁とは…上からの力や重みだけでなく、横からの力にも耐えうるよう補強してある壁のこと。
筋交い、ツーバイフォー等があります

耐力壁の一例:筋交いの入った耐力壁
耐力壁や耐震金物の配置バランス

耐力壁の量が多くても、配置のバランスが悪いと手薄な部分に力が集まり、崩壊する可能性があります。バランスよく配置することが重要です。
*『建設省告示1460号』(2000年)で柱が土台や梁から抜けないように補強する金具(ホールダウン金物)の設置も義務付けられています

建物の軽さ

地震の振動は建物の高さや重さに比例して影響を受けるます。
高さが低く、軽い建物の方が、地震の影響を受けづらくなります。

屋根や床の耐震性能

床や屋根と壁はつながっているので、床の耐震性能が高い程、耐力壁の力も発揮することが出来ます。

簡単に言うと、より柱・梁等が太く、耐力壁が多く、窓等の開口部を小さく抑えたほうが、地震への強度は高くなる傾向があります。
但し、量が多ければいいというものではなく、バランスが大切です。

耐震等級とは何か?

耐震等級とは、住宅品質確保促進法(通称:品確法 2001年施行)で規定されている耐震性能の指標のことを言います。
耐震等級1、2、3と三段階に分かれており、地震に対する建物の強度(構造躯体の倒壊、崩壊等のしにくさ)を示しています。*数字が大きくなるほど耐震性能が高くなります

品確法とは?

正式には住宅の品質確保の促進等に関する法律と言い、主に以下の3つの項目について定めた法律です。

  • 住宅性能表示制度(住宅性能評価)…国土交通大臣に登録した第三者評価機関が全国共通のルールのもと、住宅の性能を公平に評価し、購入者に提示する制度。
  • 住宅に関する紛争処理体制の整備…住宅性能評価を受けた住宅は、引渡し後に不具合や欠陥等が見つかりトラブルになった場合、「指定紛争処理機関』に紛争処理を依頼することが出来ます。*手数料1万円
  • 新築住宅における瑕疵担保期間10年の義務化…住宅の構造上主要な部分(柱や壁等)や雨漏りを防ぐ部分(屋根等)について、引渡しから10年以内に工事不備や欠陥*これを瑕疵(かし)と言いますが見つかった場合、売主又は施工会社は無償補修等をする義務を負います

耐震等級には、建物の構造に対する優劣はありません。
例えば木造と鉄筋コンクリート造の建物で、どちらも耐震等級3だった場合、地震に対する強度や性能はどちらも同じになります。

耐震等級の分け方

耐震等級1

建築基準法で定められている耐震基準と同じ内容で、建物に備わっているべき最低限の耐震性能。

極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施行例第88条第3項に定めるもの)に対して、倒壊・崩壊等しない程度。

稀に(数十年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施行令第88条第2項に定めるもの)に対して、損傷を生じない程度。

日本住宅性能表示基準

震度5の地震では損傷がなく、震度6~7の地震でも即倒壊・崩壊しないレベルの耐震強度。
つまり大地震が発生した時でも、外へ避難できるくらいの時間は倒壊せずにいる、住む人の命を守ることが出来る最低限の強度を指しています。 東北地方太平洋沖地震や熊本地震等、震度7の大地震が複数回起こるような場合、耐震等級1では命を守ることはできても今後住み続けることは難しいと考えたほうがいいでしょう

耐震等級2

極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施行例第88条第3項に定めるもの)の1.25倍の力に対して、倒壊・崩壊等しない程度。
稀に(数十年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施行例第88条第2項に定めるもの)の1.25倍の力に対して、損傷を生じない程度。

日本住宅性能表示基準

耐震等級2になると、耐震等級1の1.25倍の強度を持ちます。震度6~7の地震が起きても、一定の補修をすることで住み続けることが出来る可能性が高い程度の強度を持つ建物です。

具体的には、学校や病院等、災害時に避難所となるような公共施設と同等の耐震性になります。
*長期優良住宅の認定を受ける際は耐震等級2以上の耐震性が必要です

耐震等級3

極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施行例第88条第3項に定めるもの)の1.5倍の力に対して、倒壊・崩壊等しない程度。

稀に(数十年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施行例第88条第2項に定めるもの)の1.5倍の力に対して、損傷を生じない程度。

日本住宅性能表示基準

耐震等級1の時と比べて1.5倍の強度を持ちます。数百年に一度の地震が起きても、補修をすることで住み続けることが出来る可能性の高い程度の強度を持つ建物です。

住宅性能表示制度で定められた耐震性の中で最も高いレベルで、災害時の救護活動や災害復興の拠点となるような、例えば、消防署や警察署等の建物と同程度の強度になります。

*2016年に起きた熊本地震では益城町中心部で震度7の地震が2回発生していますが、この地震で耐震等級3の建物は倒壊はゼロ、小規模な損壊は1.24%と9割近くの建物が無被害という結果になっています


「耐震等級について(後編)」はこちらからご覧いただけます↓

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