道路のはなし ~2項道路~

不動産/建築関連用語
不動産/建築関連用語

普段歩いたり、自転車や自動車で通ったりしている道路ですが、一言で道路といっても実はいろいろな種類にわかれています。

道路とは何か

「道路」についてはいろいろな法律の中で様々に定義されています。

良く聞く法律の中では道路法道路交通法そして建築基準法などがあります。

その他の法律・法令

都市計画法、土地区画整理法、新都市基盤整理法、都市再開発法、森林法、港湾法、道路運送法、漁港法、自然公園法、都市公園法、などがあります。

*不動産の登記簿を見ていると、地目が『公衆用道路』となっていることがあります。

この公衆用道路とは、『道路法による道路であるかどうかを問わず、一般交通の用に供する道路』を指します。(不動産登記事務取扱手続準則 第68条21号)

建築基準法上の道路

建築基準法では第42から第45条にわたって道路の定義や制限、建築物や敷地等とのかかわりについて書かれており、第42条では道路の定義が書かれています。

第42条で定義されている、建築基準法上の道路とは、基本的に幅員が4m以上(特定行政庁が指定する区域においては6m以上)のものをいいます。

ただ住宅の多い都市部などでは、建築基準法で定義されている条件にあてはまらない道路に接している土地も多くあります。

「2項道路」

建築基準法第42条2項により道路であるとみなした場所の事をいいます。

建築基準法第43条では都市計画区域内で建物を建てる際、その敷地は建築基準法上の道路に2m以上の長さで接していなければならないとの規定を設けています。これを接道義務と言います。

建築基準法が制定された1950年(昭和25年)当時、この規定を満たさないで建てられている建物がすでに多くありました。

こうした建物を全て違法建築物として建て壊すわけにもいかず、一定の条件を満たすことで、その道を建築基準法の道路とみなす、としています。建築基準法第42条2項の規定なので、通称「2項道路」と呼ばれています。*「みなし道路」または「狭あい道路」とも呼ばれます

2項道路の条件

  • 幅員4m以下の道路であること
  • 建築基準法が適用された際に建物が建っていたこと
  • 特定行政庁の指定したもの

2項道路に接した土地では新たに建物を建てる際にはセットバックが必要になります。

セットバックとは

幅が4mに満たない2項道路を規定通りの4mに拡張するために行うもので、その土地が接する2項道路の中心線から2mの幅をとり、その範囲内には建築できないという制限をいいます。

  • セットバック部分には、建物だけでなく、門や塀等の建築もできません。
  • セットバック部分は容積率、建ぺい率を算出する際には、敷地面積から除外されます。

*この時、該当の道路の反対側が崖地、川、線路敷地等の場合反対側へはセットバックできない為、2m以上の後退を求められることもあります

法的に建物が建てられる敷地部分(上の図の黄色の部分)の面積を、不動産業界では、通称、「有効宅地面積」「正味面積」と言います。

実際に価値のある部分ですので、不動産取引の際によく使われます。

3項道路

42条2項道路のうち、土地の状況によりやむを得ず4mの確保が難しい場合、特定行政庁に認可を得ることにより道路中心線から2m未満1.35m以上の後退(片側が川、崖などの場合は、その境界線から4m未満2.7m以上の範囲内)まで道路と指定することができます。

42条3項で指定されているので、3項道路と呼ばれます。

道路中心線から道路境界線までの距離、または道路境界線から反対側の道路境界線までの距離を水平距離と呼ぶことから水平距離指定道路とも呼ばれます

3項道路は、斜面地、漁村といった地形的な制約で道路の中心線からの2mの後退が事実上困難であり、そのために建物が老朽化していた事例に対し、規定を緩和することで建替えが可能な状況を作り出すことを目的としています。

また地形的な制約だけでなく、例えば歴史的市街地のように現在の空間や特定の建築物などに価値があり、2項道路の拡張を行うとその価値が損なわれてしまうといった場合にも指定されます。

セットバックと費用

セットバックした土地の権利はどうなるか

セットバック後、その土地は基本的にはそのまま土地の持ち主が所有します。自治体によっては寄付を受け付けたり買取制度があるところもあるようです。

ただし、各自治体で対応が大きく異なるので、それぞれの自治体がどのような対応をしているのか調査が必要です。

セットバックするための費用はどうするか

都市部など住宅多い自治体では後退部分の整備を行ったり、門や塀などの撤去を行った場合、撤去費用の一部を助成する、などの対応がなされています。これも各自治体で対応が異なります。

*2021年現在、杉並区は、セットバック部分の土地の買取をしていません。

希望者に、セットバック工事の助成をしています。

詳しくは杉並区のHPをご覧ください↓

杉並区HP:狭あい道路拡幅整備事業https://www.city.suginami.tokyo.jp/guide/sumai/ie/1004978.html

下記のサイトもご覧ください↓

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