耐震等級について、後編です。
前編では耐震等級はどんなものかについてお話ししました。
後編では耐震等級の評価基準や、メリット、デメリット等について考えてみたいと思います。
耐震等級について(前編)はこちら。よろしければご覧ください↓
耐震等級の認定を受けるには
耐震等級1は建築基準法で定められている耐震の基準と同等の為、認定を受ける必要はありません。耐震等級2、や3は住宅性能評価機関という専門の機関で行われる審査に合格することで認定を受けることが出来ます。
メリット・デメリット
メリット
耐震等級の高い住宅を建てるということは、より地震に強い家に住むということです。
前編で説明したように、耐震等級1の住宅と比べて、2→3と等級が高くなるごとに、大きな地震が起きた後に補修等を行うことでその家に住み続けることが出来る可能性が高くなります。
その他、地震保険料の割引や、フラット35の金利が優遇されるというメリットがあります。
デメリット
1.間取りが制限される可能性がある:
より耐震等級の高い建物を建てるには、耐力壁を多く、バランスよく配置することが必要です。耐震等級が上がるごとに必要な壁の量は増えます。
その為、『柱のない大きな空間』を作ることは難しくなり、大きな窓や、広い吹き抜けのリビングといった間取りが作りにくくなる可能性が高くなります。
従来であれば間取りの自由度が高い在来工法の木造住宅であっても、耐震性を高めるために出来る間取りが制限されるという点が、デメリットになるかもしれません。
2.一般的な住宅よりコストがかかる:
耐震性能を上げるために耐力壁を増やしたり、耐震金物の設置、構造計算等の理由で、建築コストが高くなります。その他、申請費用、検査費用などが必要になります。
構造計算について書いています。よろしければご覧ください↓
安心や安全は目に見えないもの。自宅の安心・安全の為に、保険に加入する、セキュリティを強化する、耐震性の高い建物を建てる等、それぞれとても大切です。但し、どこまで対策を講じれば万全なのか判断が難しいところでもあります。
また、耐震等級3の住宅を建てたから決して倒壊しないということでもありません。
それでも、耐震について知っておくことで、住宅の建築や購入に際して、安全性や住みやすさを考慮しつつ耐震等級を決めることができます。
様々な選択肢を考慮することが出来るのも、しっかりとした知識があればこそです。
エアコンや冷蔵庫等の設備と異なり、家の耐震性は簡単に変えることはできません。建築、購入の際には事前に情報を得たり、専門家にしっかり相談する等して、ご自身が納得のいく家づくり、家選びができるようにしたいですね。
その他耐震について書いています↓
こちらサイトもご覧ください↓
- 社)住宅性能評価・表示協会HP:https://www.hyoukakyoukai.or.jp/
- 国土交通省HP『住宅の品質確保の促進等に関する法律』:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000016.html
- 住宅金融支援機構 【フラット35】サイト:https://www.flat35.com/index.html
- 大幸ホーム㈱:https://www.happy-sumai.co.jp/